ブログ15 12/16『今年の漢字』『コミュニケーションで困る事』

高次脳機能障害者のサロン『えん』ブログ

こんにちは!田中です。
今年の漢字、”税”という文字でしたね。
今回の『えん』では、皆さんの今年の”漢字”をお聞きしました。
また、失語症意思疎通支援事業のヒアリングのため、皆さんに”コミュニケーションで困る事”も教えていただきました。

『今年の漢字』

『転』
”転職””転機”の『転』
今年転職をしました。一つ人生の転機となりました。

『笑』
来年は笑い続けていたい

『戦』
戦争が多い一年だった

『未』
目標”未達”、子供達の”未来”への希望

『次』
いろんな人と交流し、新しい挑戦をし、”次”のステージに進めた一年

『志』

学生指導をしていた時から学生たちにも伝えていた”志”を持つことの大切さを、今も生きる指針としている

『整』
心も、頭も、部屋の中も”整理””整頓””整える”ことを意識したい

『変』
”変化”の年。身体の衰え、”変化”。本の整理をして部屋がスッキリ”変化”した

”漢字”が表す人それぞれのこころもよう

”今年の漢字”というテーマにのっとって、それぞれが掲げた漢字はさまざまでした。

自分自身の一年を象徴 『転』『未』『次』『変』
世の中としての一年を象徴 『戦』
今後も意識していきたい 『笑』『整』『志』

そして注目すべきは”漢字”という文字の特性です。
一つの漢字が与える印象は様々であると言う事。
その理由は、それぞれの漢字が単語を構成するとき様々な単語になり得るからでしょう。

例えば『転』からは、今回前向きな”転機”という言葉の『転』として発表がありましたが、私の様に高齢者のリハビリに携わる身は、どうも”転倒””転ぶ”という少しネガティブな意味合いの単語が思いつきがちです(笑)。
『戦』という文字からは”戦争”という恐ろしい言葉ではなく、”挑戦”という前向きな言葉も浮かんできます。

だから”今年の漢字”は、”私はこういう意味に捉える!”という自分なりの解釈を加えられて、相互に影響し合えて楽しい。
一つの漢字が織りなす様々な意味のグラデーションで、今の自分のこころもよう写し、彩ってくれます。

そういう意味では、今年の漢字”税”、は、”税金””納税””消費税”など”税”としての意味以外が思いつかないので、
あんまりパッとしない、面白くない漢字だなあと思わざるを得ません(笑)が、この漢字が世相を表現していると票を投じる方が多かったわけですから、残念ながら、今年は”税”の年だったのでしょう。

ちなみに…失語症の人は漢字が分かりやすい

そういえば、ひらがなばかりの幼稚園児の絵本が読みにくいと感じたことはありませんか?
そう、私達は大人になる過程で漢字と平仮名とカタカナとアルファベッドを織り交ぜた内容を読んで理解することを会得していきました。
特に”漢字”は、その形そのものに意味を宿す、優れた文字です。

”あい” は ”会い”、なのか、”合い”なのか、”愛”なのか分からないけど
”愛”と書けば、”LOVE”という意味であることがすぐに伝わります。

失語症の方も、同じです。

失語症意思疎通支援者は失語症の方の通訳者

そんな失語症の方の特性を理解し、技術を駆使して、失語症の方のコミュニケーションを支援してくれるのが”失語症意思疎通支援者”です。
失語症の方の外出に同行したり、友の会の参加に同席してくれたり、などを主な活動としています。

しかし、この失語症意思疎通支援者、我々が住む東京都大田区ではまだまだ支援者の養成も、派遣も進んでいません。
進めるためには、失語症の方たちがこんなに困っている、支援を必要としている、という声が必要です。

今回、そんな声を集めるため『コミュニケーションでこまること』というテーマでも、皆さんに発表して頂きました。

コミュニケーションで困る事

  • メールがうまく打てないので会社でのやり取りは内容チェックが必要
  • 多くの人と話すとき伝えづらい
  • 思ったことを細かく伝えられないから伝えたいことを諦めたり、我慢したりする
  • 電話の会話が難しい。相手の話が早かったり、こちらの言葉が出なかったり
  • 契約書や申請書など細かい書類の作成が難しい

外部リンク

失語症者向け意思疎通支援事業

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